校長だより

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2学期終業式式辞(要旨)

(2018/12/21更新)

年末恒例の今年の漢字一文字が「災」と発表されました。皆さん一人ひとりにとっての漢字一文字はどうだったでしょうか。今年は、大阪北部地震や西日本豪雨、台風21号など、自然災害の恐ろしさをあらためて実感し、認識した年となりました。本校も、施設設備が損傷し、停電により4日間の臨時休業を余儀なくされました。停電では、給水ポンプも作動せず、学校の全ての機能が停止しました。電気の重要性をあらためて体感することになりました。過ぎ去ったことは元に戻りませんが、この「経験から学ぶ」というが大事になると思われます。この災害の経験を、自分でできること(自助)、協力してすること(共助)、組織ですること(公助)といった視点で振り返り、今から一人ひとりが備えることが大切です。災害に限らず、今年うまくいかなかったことがある人は、しっかり振り返り、その自身の経験から学ぶことを考えてほしいと思います。

経験から学ぶなかには、「他者の経験から学ぶ」ということもあります。むしろこの力の方が大きい場合が多い。一例ですが、暗い話題が多かった今年、工業分野で未来につながる発表がありました。国(経済産業省)が、「空飛ぶクルマ」の2020年代の実用化に向けて工程表を発表しました。私などは、有名映画のSFの世界のようで実感がわきませんが、2020年の東京五輪でデモフライト、2025年の大阪万博の頃には技術開発が終了する予定ということですから、もう手の届くところに来ているようです。この話題で私の目を引いたのは、一つの自動車メーカーや企業で作るのではなく、ITや電気、通信など様々な分野のプレーヤー(参加企業)の参画が必要ということです。それぞれ異なる経験を持つ企業が、経験を共有しながら連携することで、視野が広がり、実現の可能性を高めるということです。まさに「他者の経験に学ぶ」ことが、大きな推進力になる事例です。

今年、皆さんのなかには、学習や部活、資格取得などで、成果を収めた人もいれば、うまくいかなかった人もいると思います。まずは、その経験を振り返り、そこから何かを学びとってもらいたいと思います。また、そこから一歩前進するためにも、うまくいかなかった問題に対しては、自分一人ではなく、友達や先生に相談し、「他者の経験から学ぶ」ことを心掛けてください。

最後に、このあとの年末年始を有意義な時間にしてもらうとともに、来年が皆さんにとってより年になることを祈念し、終業式の式辞といたします。

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