校長だより

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創立80周年記念式典を開催(校長式辞)

(2016/12/20更新)

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12月17日(土)堺市産業振興センターにおいて、創立80周年記念式典を開催しました。

式典第2部では、大阪府立大学の吹奏楽部の皆さんによるすばらしい演奏を披露いただきました。

 

【校長式辞】

雪の訪れを感じる今日の佳き日に、大阪府教育庁の橋本様をはじめとするご来賓の皆様ならびに地元堺市の関係の皆様や企業の皆様、そして多くの同窓の皆様にご臨席を賜り、大阪府立堺工科高等学校創立80周年記念式典をかくも盛大に開催できますことを心より感謝するとともに、お礼申し上げます。

本校は、昭和11年に府立第五職工学校として創立以来、幾多の変遷を経て、現在、全日制は工科高等学校として、定時制は総合学科の高等学校として今日を迎えることができました。

創設期を顧みますと、風雲急を告げる国内外の情勢のなか、化学・金属工業への機運が高まる社会の要請に応えるかたちで、当時の大阪府工業奨励館を仮校舎に、化学、金属を中心とした学科に約百名の英俊をむかえ、本校は発足しました。そして激動の戦時下、混然とした時代の苦難を乗り越えるなか、質実素朴勤勉で研究熱心な校風を生み出されたことが今日の礎となり、80年の星霜を経て、雪の結晶を模った六出花の校旗のもと2万8千人を超える卒業生がこの地を巣立ったことを思うと感慨深いものがございます。

この間、職工学校から工業学校、工業高等学校、そして工科高等学校へと時代の要請に応えてそれぞれの歴史を刻み今日を迎えられましたのも、各方面でご活躍の卒業生の皆様をはじめ、多くの関係者の皆さまのご支援のおかげと、心より感謝申し上げます。

創設期を紐解いたとき、「生徒一人ひとりが指導者たれ」という方針のもと、前例にとらわれない教育活動には、人格教育を第一とした大きな理想が垣間見られます。教育の本質を貫く姿勢と進取の精神、そしてその思いに応えて努力を重ねた当時の生徒の姿は、混沌とした今の時代に、80年の時を経てその輝きを増し、今もなお私たちの羅針盤としての役割を果たしています。

今、社会は高度情報化による急激な変化にさらされ、10年先を予測することも難しい時代にあります。しかし、産業が発展し高度化すればするほど、その基盤を支えるものづくりの重要性が高まるものと考えます。また、情報端末ひとつで生活が変貌する社会にあって、ものづくりのもつ豊かな創造性や人間性回復への機能にもあらためて光があてられています。産業界のものづくり技術の継承も懸念されるなか、あらためて堺工科高校の地域社会への役割と責務を強く感じるところでございます。

本校では地元企業、関係団体の皆様のご支援を頂きながら実践的技能を高め、ものづくりマインドを持った将来の技術者の育成を図ってまいりました。今後も、一層地域との連携を深め、時代を見据えた取り組みを推進していく所存でございます。

80周年の節目にあたり、ものづくりを通じて人格を磨くという、本校で受け継がれてきた建学の精神に思いを馳せるとともに、工業教育における人間性育成の重要性をあらためて自覚し、さらなる歴史の一歩を踏み出し、本校教育の充実発展に努めてまいりたいと存じます。

最後に、創立80周年実行委員会を設立し、記念事業の遂行に多大なるご尽力を賜りました雪陵会の皆様をはじめ、永年にわたって本校を支えていただいたすべての皆さまに、心より感謝とお礼を申し上げますとともに、今後とも変わらぬご支援をお願いいたしまして、式辞といたします。

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