校長だより

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第13回卒業証書授与式

(2020/03/01更新)

卒業生諸君、卒業 おめでとうございます。

 皆さんは、今後、自らの意志と責任において、働き、学んでゆかれることになるでしょう。

 皆さんがこれから生きていく社会は、どのような社会になるのでしょうか。

 現在、我が国がめざすべき未来社会の姿として、ソサエティ5.0という社会が提唱されています。これまで人類が経験してきた、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に次ぐ、五番目の社会が、ソサエティ5.0です。情報社会は、我々の生活に便利さをもたらしましたが、知識や情報が共有されず、異なる分野を超えた連携が不十分であるという問題がありました。皆さんが進まれるソサエティ5.0で実現する社会は、IOTで、全ての人とモノとがインターネットでつながり、集積したビックデータを人工知能で解析し、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すと言われています。

 ただし、どんなに科学技術や人工知能が進歩しても、社会に出れば、人と人とのコミュニケーションが大切であることに変わりはありません。

 

 皆さんの卒業に当たり三つの「大切にしてほしいこと」を述べて、はなむけの言葉とします。

 一つ目は、「人を思いやる気持ち」を大切にしてください。人は一人では生きていけません。人は皆多くの人たちに支えられ、その関わりの中で生活をしています。今年度の文化祭の際、小さな子どもが楽しめるようゲームを簡単にしたり、子どもが喜ぶような音楽をかけたりしたクラスがあったそうで、来校されていたご家族から、たいへん丁寧な感謝のメールが届けられました。他にも、廊下や階段で、小さな子を優先して通してあげた生徒もいたそうです。皆さんには、人へのいたわり、人の立場になって考え行動できること、つまり「人を思いやる気持ち」を忘れずに、人生を歩んでほしいと思います。

 

 二つ目は、「前向きに努力すること」を大切にしてください。皆さんは在学中、学習や部活動に、資格取得やボランティア活動に、熱心に励み、大きな成果をあげました。君たちの日々の授業・実習で学ぶ姿、体育祭での本気の走りや文化祭での笑顔、部活動やボランティア活動で汗をかいて頑張る姿、資格の勉強やコンクールの練習で遅くまで学校に残って真摯に取り組んでいる姿など、様々な思い出がよみがえってきます。君たちの今までの前向きな努力に対し、心から拍手を送りたいと思います。  

 そして、皆さんが、この良き日を迎えることができたのは、皆さんの頑張りは勿論、陰日向なく支えてくださったサポーターの援助があってこそです。保護者の皆さん、先生・事務の方々の深い愛情と熱心な指導、どうか いつまでも忘れないでください。

 三つ目は、「柔軟な心で、希望をもって進むこと」を大切にしてください。皆さんはこれから社会という大舞台に進んでいきます。人生には山もあり、谷もあるでしょう。困難に突き当たる度に、立ち止まることもあると思います。しかし、人間だから悩みもするし、悩みを乗り越えた先の感動も味わうことができるのです。

 パナソニック創業者 松下幸之助さんの言葉に次のようなものがあります。

自分には 自分に与えられた道がある

広い時もある せまい時もある

のぼりもあれば、くだりもある。

思案にあまる時もあろう

しかし、心を定め 希望をもって歩むならば

必ず道は開けてくる 

深い喜びもそこから生まれてくる

 

 人間は決して完全ではありません。悩んだり、つまずいたり、やけになったりする時もあります。ですが、柔軟な心で、希望をもって進めば、必ず道が開かれるでしょう。

 卒業後も、我々サポーターは君たちを応援しています。どうか健康にご留意し、夢に向かって邁進して下さい。

令和二年二月二八日

大阪府立堺工科高等学校

校長 中田浩史

 

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