校長だより

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2学期始業式式辞(要旨)

(2016/09/01更新)

2学期の始めに当たり、まずはこうやって全校生徒の皆さんが長い夏休みの中、大きな事故もなく、元気に再会できたことをうれしく思います。

夏休み期間中、部活動をはじめ、普段と違う様々な活動をし、多くの経験を積んだと思いますが、そこで流した汗は、必ず皆さんの力となっていますので、一歩成長した自分を自覚して2学期を迎えてほしいと思います。

この夏の最大のイベントだったリオ五輪を振り返ってみて、私たちの日常の活動につながるものがいくつかありました。今回の五輪は、光と影のある複雑な思いのする大会でした。わが国が、過去最多のメダルラッシュに沸く反面、ロシアの国レベルの組織的なドーピング、IOC幹部のチケット不正と選手の暴行事案による3名の逮捕者、水泳メダリストの虚偽報告など、憂慮すべきこともありました。

私は、今回の大会で私たちに気づきを促した2つの出来事が大きく印象に残っています。

ひとつは、大会史上はじめての難民選手団の結成です。今回の五輪で初めて、内戦や政情不安などで他国に逃れたシリアやコンゴ民主共和国、エチオピア、そして南スーダンの10人の難民選手団が結成されました。これは、全世界に難民の困難な問題を伝えた意味と、そして6500万人といわれる難民の方々に勇気と希望を与えた意義は大きなものでした。オリンピズムの目的とする人間の尊厳の保持と平和な社会の奨励を具体的な行動で示したといえますし、私たちはこうした現実をしっかり受け止める必要があります。

ふたつめは、勝敗のみに一喜一憂する選手が多いなか、「良き敗者」(グッドルーザー)が見られたこと。体操の男子個人総合の決勝直後の記者会見で、金メダルの内村選手に「あなたは審判から好意的に見られていると思いますか」という意地悪い質問が飛びました。これに対し、銀メダルのウクライナの選手が「採点はフェア。」「選手はみんな分かっている。ムダな質問だ。」と答え、拍手が沸き起こりました。

誰でも負ければ悔しいし、トップ選手ならなおさらです。実際、ウクライナの選手は自分の得点が出たとき、思っていたスコアと違う(思ったより低い)ような仕草をしました。しかし、そのような状況でも、相手を尊重(リスペクト)し称えられる心の広さと強さがスポーツマンシップであることを、そして、負けることを次の成長につながる大事な要素にすることを私たちに教えてくれました。

部活動やものづくりコンテストでも、最後まで勝つのは一握りの人です。皆さんも負けたときこそ、自分を冷静に振り返り、良いところと悪かったところを確認し、次につなげてほしいと思います。

最後に、2学期は、就職試験や文化祭、修学旅行があり、今年は創立80周年の記念行事・事業もあります。各行事で、それぞれ一人ひとりが自分の目標を持って、主体的に取り組んで、充実した2学期となることを期待しています。

 

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